米国の標準時と時差ぼけ (州名のリンクは地図に飛びます)
標準時
ポピュラーな呼称
米国の標準時は次項のとおり六つありますが、ポピュラーなのはつぎの四つです。
ET: Eastern Time (NY(ニューヨーク州)を含む東海岸)(JST(日本標準時)より14時間遅れ(夏時間中は13時間遅れ))
CT: Central Time (ETより1時間遅れ)
MT: Mountain Time (CTより1時間遅れ)
PT: Pacific Time (CA(カリフォルニア州)を含む西海岸)(MTより1時間遅れ)

正式な呼称 (下段が夏時間)
EST: Eastern Standard Time (東部標準時) (UTC(協定世界時(下記))より5時間遅れ)
EDT: Eastern Daylight Saving Time (東部夏時間) (UTCより4時間遅れ)

CST: Central Standard Time (中部標準時) (UTCより6時間遅れ)
CDT: Central Daylight Saving Time (中部夏時間) (UTCより5時間遅れ)

MST: Mountain Standard Time (山岳部標準時) (UTCより7時間遅れ)
MDT: Mountain Daylight Saving Time (山岳部夏時間)(UTCより6時間遅れ)

PST: Pacific Standard Time (太平洋標準時) (UTCより8時間遅れ)
PDT: Pacific Daylight Saving Time (太平洋夏時間) (UTCより7時間遅れ)

AKST: Alaska Standard Time (アラスカ標準時) (UTCより9時間遅れ)
AKDT: Alaska Daylight Saving Time (アラスカ夏時間) (UTCより8時間遅れ)
※ アリューシャン列島はアラスカ州ですが、その位置する経度からハワイ標準時が適用されます。

HST: Hawaii Standard Time (ハワイ標準時) (UTCより10時間遅れ)
※ 夏時間はありません・・・と言うか、いつも夏時間ですね。

外部リンク: 各国・各地域の現在日時を知るには、つぎの各サイトが便利です。いずれも自動更新されます。
worldatras
timeanddate.com

夏時間
多くの欧州各国の夏時間は、つぎのようになっています。米国は、下記
のとおりです。
4月1日以降最初の日曜日午前2:00(丑三つ時)から夏時間となり、時計を1時間進めます。すなわち3:00に合わせます。
そして、10月の最終日曜日午前2:00から標準時間に戻りますので、時計を1時間遅らせます。すなわち1:00に合わせます。

英国では夏時間をサマータイム (Summer Time) と言いますが、米国の夏時間の呼称は、DST (Daylight Saving Time) です。
米国のアリゾナ州は夏時間期間はPDTを適用し、標準時の期間はMSTを適用するため、結果的に夏時間がありません。常夏のハワイ州も夏時間が使われません。
また、フロリダアイダホインディアナカンザスケンタッキーミシガンネブラスカノースダコタサウスダコタオレゴンテネシーテキサスの各州は、州内に二つの時間帯があって複雑です。

注: 米国では、2005年の議会で可決された『US Energy Policy Act of 2005(エネルギー政策法)』によって、省エネを目的に2007年から夏時間の期間が延長されており、開始日が従来より早まり、終了日が遅くなっています。
具体的には、
夏時間開始日時が3月の第2日曜日の午前2時、終了日時が11月の第1日曜日の午前2時です。
夏時間の施行は逆に増エネになるという指摘があることから、今後も期間延長が継続されるかは不明です。米国政府の議決で元に戻ることもあり得ます。

協定世界時と日本標準時
UTC: Coordinated Universal Time (協定世界時)(なぜか「CUT」ではない)
JST: Japan Standard Time (日本標準時) UTCより9時間進み

時差 (Time difference) と時差ぼけ (Jet lag (Syndrome))
NYは、日本より14(夏は13)時間遅れです。日本時間から2(夏は1)時間マイナスして昼夜を逆にすれば簡単に計算できます。
ほぼ昼夜が逆なので、到着後の数日間は昼食後に眠気が襲ってきます。日本にいても昼食後には眠くなりますね。
これは、あくまでも私の場合の話ですが、出張するときの時差ぼけ対策は、機内で充分に寝ることです。空港離陸後、1時間ほどで水平飛行に移ると食事になります。食事が済んだらすぐに寝ることにしています。
困難な仕事が待ち構えていて気持ちが高ぶって寝られなくても構いません。目を閉じていればokです。出発までに出張先での仕事の準備が完了していないと、あれこれ考えてしまって寝ているどころではありませんが、ある程度は開き直りが必要です。そうしないと、現地でいい仕事ができません。
飛行機で寝過ぎると現地で寝られなくなると言われますが、私の場合は影響なしです(そう思い込んでいます)。夕方に着陸しても、その晩は寝られます(ただし自己暗示が必要)。
もう一つ大事なこと。日本の空港の離陸時点で日本時間は忘れ、腕時計と体内時計を目的地に合わせましょう。私のように日本時間用と現地時間用の腕時計を左右の腕に付けている場合は日本時間用の腕時計は見ないようにしましょう。「日本は、いま何時?」が時差ぼけを増進させてしまいます(
Note)。
時差ぼけで困るのは、トイレタイムです。これは、自己暗示が難しいです。日本でのトイレタイムとは、ずれているのですが現地到着後1週間は、昼過ぎになると仕事の真っ最中にもかかわらず席を外すのが日課です。眠気対策は何とかなっても、これは手強い問題です。米国のトイレの話題はこちら
帰国後の時差ぼけはすぐに解消します。永年住んでいる日本のリズムには、すぐに戻るようです。米国滞在が3週間までなら空港を離陸した瞬間に日本時間に戻ります。戻らない人は、遊びすぎ・・・いや、働き過ぎで疲労が蓄積しているのです。
しかし、米国の滞在期間が1年を越えると、日本時間に戻るために1週間ほど必要かもしれません。なぜなら、渡米後1週間経てば無理なく現地時間で生活できるようになるからです。

ところで、現地滞在中はもちろん、帰国後も1週間は強力な目覚まし時計をセットしておくべきです。
米国滞在が3週間以上になると現地のリズムに慣れてしまいますので帰国後1週間が危険です。私は数十回の米国出張で一度だけですが帰国後、2日目に会社に遅刻したことがあります。日本時間にはすぐに戻るという安心感から、つい油断してしまいました。
それと、米国内で東方向へ移動した直後は要注意です。例えば西海岸のLA(ロサンジェルス郡)から東側のNYへ移動すれば3時間の時差があり、しかも時刻が早まるわけですから、ワーストケースではアポに3時間も遅刻することさえあり得ます。対策は、移動先に着いたらASAP(可及的速やかに)で時計を現地時刻に合わせることです。
私は、この写真のように目覚まし時計を二つ持って行って、二つとも現地時刻に合わせます。一つはアナログ式で、「あと何分」が直感的に分かるので身支度中に役立ちます。もう一つはディジタル式で、現在時刻が一目瞭然ですしカレンダーと気温が表示されるのが便利です。
それならアナログ式で、且つディジタル表示があれば1台で済むだろう?・・・そのとおりです。アナログ時計の文字盤に大きなディジタル表示部があって、時刻に加えてカレンダと気温・湿度も表示され、多少大きくていいですから重くなく、時差の設定が容易で、アラームは少し強力なベル音で、世界中の標準電波に対応する電波時計であって、\1万円以下なら必ず買います。
また、移動が重なると、目が覚めたたときに「ここはどこ?」状態に陥ります。実際に何度もありました。窓の外を見たり、机に備えられているメモ用紙でホテル名を確認したうえでスケジュール表を確認したりしました。「私は誰?」は今のところありません。

仕事上での時差
出張の場合は、東側のNYより、西側のLAあたりの方が日本に対して優位です。なぜなら、現地が明るいうちに日本の本社が静かになる、すなわち電話がかかって来なくなるからです。2004~2005年のNY/LA出張の際に、つくづくそう感じました。NYでは、それでなくても睡眠不足なのに、現地の夜中~早朝に本社からホテルへ電話をかけてくる無神経なやつがいて、死にそうでした。そういうときに限ってトラブルは重なるもので尿路結石の石が疼くし、「こっちも頑張っているんだから日本で対応しろよー」と思いました。
しかし、現地事務所や支社を置かれる場合は、日本と昼夜が逆になるNYあたりの東側の方がベターです。なぜなら、通常はe-mailやFAXで日本の本社と連絡するような形態でしょうから、お互いに今日の発信へのレスポンスを翌朝受け取ることができるからです。
しかしまた、派遣された日本人の生活環境を考慮するなら西側のLA近辺の方が良好です。日本人や日系人が東側よりはるかに多く住んでいるため、日本の食材や製品の入手が楽だからです。しかも冬は暖かく夏は湿度が低くて過ごしやすいです。NYの夏は蒸し暑いですし、冬はしばしばスノーストームが来て雪が積もる厳寒の世界となります。

世間話
いつもそうというわけではないのですが、2005年初頭のNY出張では寝不足に悩まされました。
夜7時(日本は朝9時)頃から翌朝5時(日本は夜7時)頃まで日本との電話連絡で寝られず、睡眠時間がゼロから2時間以下という状態が数週間続きました。
こうなると食欲もなくなり、寝不足に栄養の偏り(ハンバーガーとカップラーメンが多かった)が重なったためかスーパーで並んでいて倒れそうになった(ほとんど倒れた)ことがあります。
悪いことは重なるもので、このときは腎臓の石(尿路結石)が疼いて困りました。結果的にお世話になりませんでしたが、911(米国は119でなく911)でAmbulance(救急車)を呼んだときのために「Kidney Stone」と紙に書いて常時持ち歩きました。腎臓で成長した石が細い尿管へ入り込むと、尿が詰まった圧力で腎臓が腫れ上がって「人間が感じる最大の痛み」が1時間ほど続きます。これまでに何回も経験しました。この出張時は、ズンズン痛んだり小康状態になったりが昼夜を問わず1ヶ月以上続きました。
出てくれば、僅か数mmの、しかも指で摘めば簡単にボリボリッと粉になってしまう、こんなもので何であんなに痛いのか? 不思議です。

Note: 日本時間を忘れろったって、ミッションを背負った出張者には不可能です。日本の本社からは現地時刻が深夜だろうが早朝だろうが、お構いなしにホテルへ電話がかかってきます。仕事ですから、それは仕方がありません。そうかな・・・?
私は海外出張のとき、両手に腕時計を付けて行きます。左腕には日本で日常使っている時計、右腕には現地時刻に合わせた時計です。これが時差ぼけの原因になると分かっていても、出張者は仕方がないのです。ですから「観光で来られたらいいな
」と、毎回思います。
出張者は「いい仕事ができるように」、観光旅行者は「楽しい思い出を残せるように」、工夫と、少しの努力をしましょう。

上記が海外観光旅行初心者のご参考に、また仕事でのご出張者にとって慰みになれば幸甚です。
加えて、出張でも観光でも、
日本とは違うということを忘れないでいただきたく、『安全』について下記をご参照下さい。
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