『ハゼラン(爆蘭)の開花時刻に関する観察記録 2016』

ハゼランは、三時花(サンジバナ or サンジカ)、三時草(サンジグサ or サンジソウ)、花火草(ハナビグサ or ハナビソウ)・・・と、多くの別名があるそうです。
繁殖力が強く、種でどんどん広がります。庭には、いたる所に育っていて、密生している場所もあります。下記の「密生部」は、その場所のことです。
ハゼランは、本当に午後3時に咲くのか観察しましたので、その結果を報告させていただきます。

観察結果まとめ(その後の観察結果を含む)
午後3時に咲くと言われているとおりである。
人間(私自身)の体内時計と比較すると、ハゼランの生物時計の方が圧倒的に正確なように思える。
気が早い蕾もあって、午後1時45分に開花したものはある。しかし、午前中に開花することは絶対に(たぶん)ない。
午後3時半になれば当日分の蕾はほぼ開花し、午後4時には100%(たぶん)開花が完了する。『三時花』と命名した人に敬意を表したい。

②開き始めから15分あれば完全に開く。

③個々の花の寿命は午後2時から午後6時まで4時間程度のようだ。
一度咲いた花は、翌日には開かない。次から次へ新しい蕾をつける。
早朝の時点ではピンクで、そこそこの大きさなので今日開く蕾だと思っていたら、午後3時頃には茶色になったものがある。これは昨日咲いた花殻だった。

④株の個性は強くない。特定の株や、各株の複数の茎のうち特定の茎の開花が早かったり遅かったりすることはない。
そのことから、開花時刻に関する生物時計の機能は蕾が有しているように見える。

⑤雨を嫌う。
雨に打たれている蕾は午後3時になっても開花しない。その前に開花した花も、雨に打たれると閉じてしまうようだ。

⑥絶対照度の影響は少ないようだ。
台風の暴風雨で一日中薄暗い中でも(8月22日)、逆に強い日光に照らされている状況でも(8月23日)、かなり正確に午後3時に咲いた。
別の言い方をすれば、曇天や雨で暗くても、晴天で明るくても、とにかく午後3時になるまでは開花しない。
また、台風で不安定な明るさの状況を考えると相対照度も影響がないように思える。しかし、暗かった8月22日より、明るい23日の方が開花時刻が少し早いようなので、照度の影響が全くないとは言い切れない。

観察記録
●2016年8月22日
この日は、密生部に注目した報告です。
台風9号の直撃による雨の影響を受けてしまって信頼性の高いデータが得られませんでしたので、下方の23日の記録を重視して下さい。

11:00
 早朝から1輪も咲かない。暴風雨状態。
12:00 密生部でも雨が当たらない場所でも1輪も咲かない。風雨がひどい。
12:30 台風が千葉県館山市付近に上陸。スピードが遅くて時速20 kmと。
13:00 密生部でも雨が当たらない場所でも1輪も咲かない。咲きそうなピンクの蕾はたくさんある。台風の目に近く、風雨は小康状態。
14:30 密生部では1輪も咲かない。ただし雨が当たらない場所の1株で1輪が開花。その1株の花と、密生部で咲きそうな蕾は合計23。(1/23) x 10 ≒ 0.4分咲き。台風の目がかなり北方の木更津市辺りまで進んだことが風向から分かる。
14:45 密生部では1輪も咲かない。ただし雨が当たらない場所の株で4輪が開花。(4/23) x 10 ≒ 2分咲き。再び猛烈な風雨でこの株にも雨が当たる。
15:00 密生部で3輪が咲いたように見えるが、暴風雨でその場所へ行かれない。雨が当たらない場所の株では10輪が開花。(13/23) x 10 ≒ 6分咲き。1輪は雨が当たって閉じかけてしまった。
15:30 密生部で3輪が咲いたように見えるが、暴風雨でその場所へ行かれない。雨が当たらない場所の株では14輪が開花。(17/23) x 10 ≒ 7分咲き。
16:00 密生部で3輪が咲いたように見えるが、暴風雨でその場所へ行かれない。雨が当たらない場所の株では16輪が開花。(19/23) x 10 ≒ 8分咲き。
16:30 密生部の3輪ともしぼんでしまったように見えるが、雨でその場所へ行かれない。雨が当たらない場所も全部がしぼんだ。台風の吹き返しが強くて雨が吹き込んだためにしぼんだと思われる。

●2016年8月23日
昨日22日の記録の「雨が当たらない場所の株」を、桜の開花宣言のための標本木ならぬ「標本草」と決めて観察しました。
下記は、「標本草」に注目した報告です。
今日は台風一過ですがカラッと晴れず、日が差したり陰ったりの天気です。半開きは開花として計数しません。
11:00 1輪も咲かない。本日咲きそうなピンクの蕾は10個。昨日咲いた花は、もう咲かないもよう。
12:00 1輪も咲かない。
13:00 1輪も咲かない。
14:00 1輪も咲かない。(密生部では13輪が開花。)(Note 2)。
14:15 1輪目が開き始めた。(密生部では約50輪が開花。数え切れないので密生部はこれで計数中止。)
14:30 1輪開花。(1/10) x 10 ≒ 1分咲き。開き始めから完全な開花まで15分間ということが判明。
14:45 2輪目が開き始めた。3、4、5輪目も僅かに開き始めた。
15:00 6輪開花。(6/10) x 10 = 6分咲き。この15分で一気に増えた。やはり三時花だ。
15:15 10輪開花。(10/10) x 10 = 満開。
16:00 10輪とも咲き続けている。
17:00 10輪とも咲き続けているが2輪だけ心持ちすぼんできたように見える。
17:30 1輪は、ほぼ蕾状態までしぼんだ。2輪もそれに近い。残7輪もすぼんできたのが分かる。
18:00 ほぼ全輪がしぼんだ。3輪は元の蕾状態。残7輪もそれに近い。すでに薄暗い。(密生部も元気に開いている花はない。)
以上

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