腎臓結石 2006

『腎臓結石(Kidney Stone) 2006  2006年6月4日撮影
不気味な写真で申し訳ありません。
約4×3mmの、この石の製造元は腎臓で、細い尿管に詰まり腎臓を膨張させて激痛を感じさせ、尿管を傷つけながら移動することで出血させ、膀胱、尿道を経て出てきました。(
Note 1)

2009年10月に再発した石はこちら。<-- 痛みの発生から排出されるまでを時系列で報告しています。
★その2009年10月以降、年間は再発していません。いつまで更新できるでしょうか。

石仲間は、私の周囲にたくさんいます。会社のH氏とI氏、友人のI氏とK氏、私の長男、プラス私で合計6人です・・・ということは、このサイトの来訪者にも既に尿路結石で悩んでおられるか、またはこれから発症する人がいらっしゃるはずなので、「私の場合」を報告しておくことにしました。
不思議なことに、石仲間には女性が一人もいません。尿路結石症は男の方が多いのかもしれません。
「人間が感じる最大の痛みの一つ」と言われるほどの激しい痛みで、初体験のときは「これは何事だ!、「死ぬんじゃないか?!」という精神的衝撃が重なりますので知識として持っておられると、多少は救われます。
ただし、
急性虫垂炎(盲腸炎)も似たような症状だそうです。その場合は即刻病院へ行かないと重篤な症状に陥って命にかかわる危険があります。急性虫垂炎の場合は腎臓よりも下の方が痛むとは思いますが、留意しておきましょう。

石の成分や形状と大きさ、痛みを感じる場所、痛みの程度、激痛の続く時間(日数)と強弱の周期などは、人によって違います。
私の場合は痛みを感じる場所が左右どちらかの腰から少し上の背中なのに対して、会社のH氏と私の長男は左脇腹でした。例えば、石が右の腎臓から出れば右脇腹が、左の腎臓から出れば左脇腹が痛むようです。

形状にもよるでしょうが、石の大きさの最大部が5mmまでなら悪戦苦闘すれば何とか尿管を通過できるようです。この大きさを超えたら超音波の衝撃波で石を破砕してもらわないと難しいでしょう。

冒頭に挙げた石仲間には救急車や自分で行って入院した人がいますが、石が尿管を移動中にはお医者さんも為す術がないらしく、水をたくさん飲まされたあげく病院の屋上で縄跳びをさせられたそうです。
救急車も病院も迅速に対応してくれるそうです。初めて激痛に襲われたときは心細いので、そばに誰かがいてくれると安心感が得られます。
鎮痛剤を注射してもらったら痛みが解消したという話は聞きませんが、鎮痛剤の効果はゼロではないでしょうし安心感の面からも可能なら病院へ行くのが良さそうです。

つぎは、石の存在を自覚してから排出を完了するまでの基本的な流れです。ただし、あくまでも私の場合です。

①先ず左右どちらかの腰痛
左か右の腰から少し上の背中が疼くような痛みが強まったり弱まったりが1ヶ月くらい続くことが多く、昼夜を問いません。強弱の周期は数時間で、日によって違います。
この痛みは、まるで腰痛なので、腰を揉んだり踏んづけてもらったりしたしたことがありますが、当然ながら効果は全くありません。
この段階は、石が尿管に入りかけた状態のように思います。
この状態は、2005年のニューヨーク出張中にも1ヶ月以上続きましたので、我慢できない激痛が来てAmbulance(救急車)(電話番号は119ではなく911)を呼んだときのために「Kidny Stone」と書いたメモを常時持ち歩きました。

②激痛の来襲
やがて、もの凄い激痛が40分から1時間ほど続きます。①の疼くような傷みが続くことがなく、疼いた直後に激痛が来たこともあります。
痛みの場所は、①と同じです。途中で左右が入れ替わったり、上下に移動するようなことはありません。
この間は脂汗を垂らしながら七転八倒して、嘔吐したり気が遠くなったりすることがあります。
痛い側を下にして体を丸めて横になると、少し楽な気がします。
この激痛を表現すれば、切り傷の痛みとは違って「
極めて強い鈍痛」です。専門用語では、これを疝痛(Note 2)というそうです。
激痛の原因は、石が尿管を傷つける痛みよりも、尿が石で堰き止められて腎臓が腫れ上がることによる腎臓の痛みがメインであるようです。尿管に詰まった石が尿の圧力で尿管を傷つけて出血させながら少しずつ膀胱の方向へ移動しているにもかかわらず、痛みの位置が移動しないことから、痛いのが腎臓であるということは確かのようです。
激痛が襲って来る時間帯は早朝が多いです。昼間、仕事中に襲われたことは、まだありません。
石が膀胱まで落ちれば痛みが急激に引きます。私の場合は、1時間以上「七転八倒」したことはありません。
朝の4時から5時まで七転八倒して、何事もなかったように出社したことが何度もあります。
しかし一度だけ、仕事で車を運転中に来たことがあります。夜8時頃でした。気が遠くなり運転に危険を感じたので車を路地に停めて、しばらく車中で七転八倒しました。そして、会社へ戻るより家の方が近かったので、小康状態になったときに急いで家に帰り、今度は便器を抱いて七転八倒です。なぜなら、嘔吐するからです。そのときの所要時間もトータルで1時間未満でした。
ちなみに日露戦争の日本海海戦で有名な東郷平八郎も石仲間だそうです。幸い交戦中は激痛が来なかったのでバルチック艦隊に勝てました。このときに発作が起きていたら、この戦いはどうなったか分かりませんね。

③石の排出
私の場合は膀胱まで落ちれば、もう大丈夫。石は、3日以内に出てきます。尿道は尿管より太いので、途中のどこかで「ん?」と感じる程度で特段の痛みはなく出てくれます。(
Note 3)
トイレの中を見ると、うす茶色の石が沈んでいるのを発見することができます。それを割り箸で力を入れず、そっと取り上げたのが上の写真です。
日曜日の朝に激痛が来て、水曜日に膀胱から排出されたこともあります。
石はかなりもろく、指で少し強く摘まんだだけでボリボリっという感触で粉になります。腎臓に指が入れば磨り潰してやりたいです。

Note 1 石が、腎臓で作られれば腎臓結石、尿管なら尿管結石、膀胱なら膀胱結石ですが、最近の研究ではつぎのようです。
●尿路結石は、石がある場所によって大きく二つに分けられる。
①上部尿路結石: 腎臓から尿管の膀胱開口部までにある場合。
②下部尿路結石: 膀胱から尿道にある場合。これは男性の高齢者に多い。前立腺肥大などで尿路が狭くなって石が詰まる。女性は尿道が太くて短いので、このケースは少ない。
●石の成分は、多くの種類がある。
①尿路結石の80%がカルシウム結石である。カルシウム結石にはシュウ酸カルシウムと、リン酸カルシウムがあって、前者が多い。
②次に多いのはリン酸マグネシウム・アンモニウム、少ないのは尿酸結石。
(私の石はサンゴのようにギザギザなので、リン酸マグネシウム・アンモニウムか?)
Note 2: [語句説明] 広辞苑によれば、つぎのとおりです。
疝痛(せんつう) = はげしい発作性の間欠的腹痛。腹部内臓の諸疾患に伴う症候で、胆石症発作・腎石発作・腸閉塞などに際して現われる。
Note 3: 会社のH氏の場合は石が5mmもあったため尿道通過の際にも激痛を伴い、血尿と言うより血液そのものが出たそうです。
①病気つながりで骨粗鬆症に起因する脊椎の圧迫骨折はこちら
②病気つながりで、大腸ガンの写真はこちら(PDF)。2016年1月28日大腸内視鏡検査により巨大ポリープ(しかし良性)と大腸ガンが発覚。2016年2月16日、無事切除。この後、5年間は毎年大腸内視鏡検査を行なってフォローアップが必要と。
③大腸ガン切除1年後の大腸内視鏡検査結果はこちら(PDF)。2017月3月14日、大腸ガンと他のポリープの切除痕は正常で再発なし。新たに小さいポリープが発見されたが取り敢えず温存。
④大腸ガン切除4年後(2020)の大腸内視鏡検査もパスできました。来年、あと1回パスすれば、『無罪放免』とのことです。

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